口腔がん
高齢化社会に伴い、口腔がんは増加傾向にあります。(口腔がんの6割は舌がんで、その8割は舌の側縁にできます)2000年ごろまで・・・年間7~8,000人
2021年現在まで・・・年間2万人
ここ20年で3倍近く増えています。
前立腺がん、甲状腺がん、乳がんなどの5年生存率は90%、胃がんでは60%あります。
口腔がんの5年生存率は55%と低く、発見が遅れるほど死亡リスクが高く、治療後のQOLも低下します。
先進国では日本のみ死亡者が増加傾向にあります。
一番の原因は喫煙です。(ニコチンには、たくさんの発がん性物質が含まれています)
ここに飲酒が加わるとさらに罹患率が高まります。(ニコチンの発がん性物質の溶媒として働きます)
その他、慢性的な刺激(歯や入れ歯が合わないために舌に当たって傷つく)
偏食の方(ビタミンB・C・E、鉄分、亜鉛不足が口腔粘膜を劣化させる)
そもそも人間ドックの検診に、口腔がんが含まれていないこと、軽く見ている方が多いことで早期発見が遅れ、
他のがんと違って、気付いた時には頸部リンパ節に直ぐに転移してしまうことも、治療を困難にしてしまう要因です。
他のがんと違って、副作用が問題で、抗がん剤、化学療法、放射線治療が効きにくいので、手術が基本です。
近年は、副作用が少ない陽子線治療、重粒子線治療、がん光免疫療法などが開発されてきていますが、
まだ治療数が少なく、費用が高額です。
2021年10月26日 19:00